Basso Continuo's Music Page
[Top Page / 主頁] > [グローリア日記] > [グローリア日記2004(1)] > [グレゴリオ聖歌の五線譜表記]
[English]
[Japanese / Nihongo]
[Korean / Han-gug-eo]

「グローリア日記2004」に記しているとおり、今回、私の所属する団体「グローリアアンサンブル&クワイアー」では、デュリュフレ(Durufle / Maurice Duruflé)のレクイエム(Requiem)を採りあげることになりました。 デュリュフレのレクイエムはグレゴリオ聖歌(Gregorian Chant)に立脚した作品です。 そのため、デュリュフレのレクイエムを演奏するに当たっては、あらかじめグレゴリオ聖歌に関して把握しておく必要があると考えました。
グレゴリオ聖歌は中世ヨーロッパ教会音楽の中核をなす、単旋律の歌唱です。 「痴的」好奇心旺盛な私としては、 この「グレゴリオ聖歌」が具体的にどのような旋律であったかを知りたくなった訳です。 ところが、 グレゴリオ聖歌を記載する楽譜は、伝統的に「ネウマ譜」(neuma(羅),neumes(英))で記譜されています。 私にはこの「ネウマ譜」は馴染みが無く、 読譜は困難。 ネウマ譜を直接デュリュフレのレクイエムと比較対照する、 なんてマネはとてもできません。
そこで私、 無謀にもグレゴリオ聖歌を、我々が普通に見る楽譜、即ち「五線譜」で記してみました。 ここにそれを公開致します。 デュリュフレのレクイエムと接する人に、参考資料として役立てて頂ければ幸いです。
以下の五線譜はあくまでデュリュフレのレクイエムとグレゴリオ聖歌との比較の便を図ることを第一目的にしています。 五線譜に記され得ない多くの音楽−ジャズ等の即興演奏中心の音楽や、 各種の民族音樂等−と同様、グレゴリオ聖歌「レクイエム」其物をこの楽譜から完全に読み取るのは不可能だと考えてください。 グレゴリオ聖歌の持つ特有のテンポ変化や微妙なニュアンス、 調性の変化は以下の樂譜には反映されていませんし、 「グレゴリオ聖歌固有の記譜法で、五線譜に変換するときに切り落とした」ような要素も多くあります。 後に「2.2.音価」で述べるように、八分音符と四分音符を用いて記載しましたが、 八分音符は正確に四分音符の半分の長さ、 というわけではありません。 最も重要なことは、この五線譜は私の全くの我流記譜で御座いまして、キリスト教関連団体が公式に出版するものとは大いに異なるアングラ樂譜です。間違いが混入している可能性がドエライ有ります(爆) 内容に間違いなど有りましたら是非ご指摘ください
オリジナルのネウマ譜は掲載サイトがあります。参考資料をご覧ください。
各曲の楽譜は以下を選択してください。
掲載した曲は、レクイエム典礼文の"Introitus"(入祭唱)から"Communio"(Lux æterna,聖体拝領唱)まで、 および、 "Libera me", "In paradisum"です。
これらは、 デュリュフレのレクイエムで用いられている歌詞の範囲に相当するグレゴリオ聖歌です。 なお、 "Sequentia"(Dies Iræ)はデュリュフレのレクイエムではほとんどカットされていますが、 末尾の"Pie Jesu domine, dona eis Requiem"の部分のみは、 デュリュフレのレクイエムにも登場しています。 そのため、"Sequentia"についても全体を掲載しました。 (ベルリオーズの幻想交響曲、 あるいはラフマニノフのパガニーニ狂詩曲などに登場する有名な旋律、 「怒りの日」の原曲はこの"Sequentia"です)
普通の五線譜表記ですが、以下の点にご注意ください。
オリジナルのネウマ譜は音高の指標になる四本の線と、C音の位置を指定する記号(ハ音記号)およびF音の位置を指定する記号(へ音記号)が指定されており、 音高についてはそのまま五線譜に移すことができます。 掲載五線譜は、 バス譜表を用いて、 オリジナルと同じ音高で記載しました。 各曲の冒頭には、オリジナルの譜表の音部記号を示してあります。
ただし、 オリジナルの音高におけるハ音記号やヘ音記号は、 曲の基準音高を示しているだけで、 C音(ハ音),F音(へ音)の実際の高さは絶対的なものではありません。 すなわち、 楽譜上でC音であっても、 実際に出される音は現代の標準的なC音とは全く異なる高さの音、という可能性があります。 曲によっては、現代のF音やG音に近い音を「C音」と見なしているかも知れません。 また、 各曲ごとにC音の位置はまちまちかも知れません。
音価(各音の長さ)についてはネウマ譜から読み取ることは困難を伴います。 そもそもグレゴリオ聖歌を記した「四線ネウマ譜」は、音程、音高については正確に指定できるのですが、 音価を正確に指定するシステムを備えていません。
私の五線譜表記では、原則として全て八分音符で記します。 ただし、 グレゴリオ聖歌の4線ネウマ譜には
があります。付点のついている音符は他の音符よりも若干長めに歌い 「水平線」のついている音符ではテンポを落とす(從って音価は長くなる)ものとされています。 私の五線譜では、ネウマ譜で付点のついている音符は四分音符で記載し、 ネウマ譜で「水平線記号」の付いている音符はテヌート記号を付けて示しました。
こういう事情なので、 ここに示した五線譜表記においては、 四分音符は八分音符の2倍の長さ、 という意味はありません。 幾分長く演奏される傾向がある、 という程度の意味です。 「微妙なテンポ変化の結果、 八分音符で書かれた音のほうが四分音符で書かれた音よりも長くなる」 ということもあり得ます。 テヌート記号も本来の意味ではなく、むしろリタルダンドに近いニュアンスです。
このように、グレゴリオ聖歌では一般に「拍節」の概念はとても曖昧です。 これは「拍子」の概念が希薄であることを意味しています。 私の樂譜でも、拍子記号は記載していません。
1番目と2番目の参考資料は、うっちい樣からご紹介頂いたものです。この場を借りてうっちい樣に御礼申し上げます。今後とも何かと色色お騒がせ致しますが何卒オイラの阿呆さに免じてどうぞよしなに以下略m(_ _)m☆\(--;)バカモノ。